実習を終えての感想②


 昨年度1年間にわたり実習に来られていた臨床心理士を目指す学生の方から感想文が寄せら
れましたので、ご紹介しようと思います。


            「実習を通して学んだこと」


 私は、この一年間デイケアで利用者の皆様と一緒に過ごさせていただいたり、心理検査
をとらせていただいたりと様々なことを体験させていただきました。デイケアではアル
コール依存、薬物依存症、ギャンブル依存症など様々な方と関わらせていただきました。
依存物に対する気持ちの変化、欲求が高まる時期…など当事者目線のお話は大変貴重な
経験となりました。


 お話を聞かせていただく中で、依存物は違うけど共通する部分もあるのだという発見も
ありました。 一度に多くの人のお話を聞けるデイケアは、新しい視点を得るきっかけと
なったり、自分との共通点を見つけて参考にしたりと、学ぶ機会がたくさんありました。
また、デイケアの利用の仕方にも人それぞれ個性がでるのだということも感じました。
居場所として、仲間と繋がれる場所として利用している方、一人になる時間を作らないよ
うに来ている方、規則正しい生活リズムを作るために来てる方、人の目を利用して依存物
をやめている方、それぞれに合ったやり方でデイケアという場を活用しているのだと知る
ことができました。
 他にも、心理検査をとらせていただいたり、予診や初診に陪席させていただいたりと、
大変多くのことを学ばせていただきました。初めてのことで至らぬところも多かったと思
いますが、温かく見守りご指導くださった先生方や皆様のおかげで、とても楽しい実習期
間となりました。学校の座学だけでは決して学べない、多くのことを学ぶ機会をいただき
本当にありがとう御座いました。
 


心理実習生S


 

型にはまった知識だけではなく、人それぞれの生き様、そこに伴う苦しさ、そしてその中でどう
いったことが必要と我々支援者は考えると良いのかについて、多くのことを学んでいただけたよう
に思います。ここでの体験が何らかの形で、先々の臨床に生かされれば嬉しい限りです。
 当院では引き続き、精神保健福祉士や臨床心理士、公認心理師を目指す学生の方々の実習も、
可能な限り引き受けていく所存です。お気軽にお問い合わせください。
 また今年度も名古屋市から委託された事業として、依存症支援者研修会(今年は「アルコール」
と「ギャンブル」)を開催いたします。多くの方のご参加をお待ちしています。詳しくは続報をお待ちくださ
い。