実習を終えての感想①


 当院では、定期的に支援者志望の方々の実習を受け入れています。先日もお一人、すでに現
場で働かれている心理士の方が実習に来られていました。実習を終えての感想文をお寄せいた
だきましたので、掲載させていただきます。


                  「実習の感想」
 今回約 3 ヵ月間実習をさせていただきました。私は、この実習で依存症となる依存物
は私達が日常生活をしている中に溢れるほど潜んでおり、依存症の方は常に自分との闘い
の中で日々を暮らしているのだと感じました。 依存症という言葉は聞いたことはありま
したが、どのぐらいの程度でどんな方がいらっ しゃるのか全然知らないのだなと思いま
した。
 それは実習で依存症のメンバーが出られているデイケアに参加させていただき、実際に
メンバーの方々の体験談や考えを聞いている中で気づかされました。また、ありがたいこ
とにその後のレクチャーに参加させていただき、 患者さんと一緒にどのようにアルコー
ルが人体、脳、周りの人に影響を及ぼしているのかに ついて1 から学ばせていただきま
した。
 依存症の1つの原因として“否認”がありますが、治療可能であり良くなる可能性があ
る ことがある病気だと知りました。それは自分との闘いであると同時に、日常に潜むお
酒やギ ャンブル、薬などの依存物と常に葛藤をし続けなければいけない想像を絶する大
変さを考 えました。海外ではお酒を公共の場で飲むと罰せられるところや、一部の層の
みしかギャンブルが出来ないようになっているところもあります。日本では、酒・ギャン
ブルによる依存 症者に対しての警鐘をならしながらも CM や街には依存物だらけである
ことに気が付きまし た。このような世の中で我慢し続ける患者さんにとても感動しまし
た。
 今回の実習は、今後の自分の糧となりこれまでにない視点から患者さんへのアプローチ
が可能であると思うので今後とも精進していきたいです。
                                  心理実習生T

 まだまだ周知されているとは言い難い依存症について、多くを学んでいただけたようで、私どもと
いたしましても嬉しく思っています。当院では引き続き、精神保健福祉士や臨床心理士、公認心
理師を目指す学生の方々の実習も、可能な限り引き受けていく所存です。お気軽にお問い合わ
せください。
 また名古屋市から委託された事業として、依存症支援者研修会(アルコール、薬物、ギャンブ
ル)も毎年行っています。そちらも合わせてご参加いただければと思います。