アルコールは脳から足の先まで様々な障害を引き起こす

何年にもわたって大量飲酒をしていると様々な病気を引き起こします。
アルコールそのものの毒性によるものと食事をとらないで飲み続けることから起こる栄養障害によるものが原因です。

特に多いのが肝疾患で、アルコール依存症の人の8割は肝疾患を合併しているといわれています。肝臓はダメージを受けていても初期は自覚症状が少ないため、なかなか気づきません。
検診で肝臓の数値の異常がみられることから気づかれることも多いと思います。
脂肪肝から次第に進行して、肝細胞に炎症を起こすアルコール性肝炎、そして肝細胞が線維化して肝硬変や肝臓がんとなってしまうこともあります。

その他に、脳の萎縮により物忘れがひどくなったり、アルコールにさらされる口の中やのど、食道などの粘膜に炎症や潰瘍をおこします。そして、食道がんや口腔、咽頭がんの発生のリスクも高くなります。
心臓の筋肉がやられて心臓が大きく肥大する心筋炎、高血圧、糖尿病や膵炎、胃炎や胃、十二指腸潰瘍、下痢、痛風、手足のしびれや痛み(末梢神経障害)、太ももの付け根の関節部分が侵されて歩行が障害される大腿骨骨頭壊死という病気も起こります。

アルコールを大量に飲み続けていると、最後には死に至ります。
平均寿命は52~53歳ともいわれています。
そうなる前に早期に治療することが大切です。

当院では本人向け、家族向けにレクチャーを行っています。その中にアルコール関連疾患のレクチャーもあります。